個人再生:負債総額が多く、支払額が多くなったため、支払期間が原則3年のところ5年間への延長が認められた事例

依頼者の属性

・和歌山市在住
・年代 50代
・性別 男性
・家族構成 既婚子あり
・職業 会社役員
・負債総額 約1360万円(住宅ローンを除く)
・債権者数 4名(住宅ローンを除く)

再生計画の内容

・再生計画案による支払総額 272万円(住宅ローンを除く)
・免除率 約80%
・再生計画案による支払い年数 5年
・再生計画案による月あたり支払額 約4万5000円
・住宅ローン特別条項 あり
・種類 小規模個人再生
・個人再生委員 なし
・コメント
個人再生による支払総額の支払期間は原則3年ですが、特別な事情があれば、最長5年までの延長が認められます。依頼者は、住宅ローンの以外の負債総額が多く、それに応じて再生計画案による支払総額が増えてしまいました。そのため、3年では支払いきれないことから、5年の延長が認められました。

個人再生を選んだ理由

住宅ローンを支払続けてでも、何とか住宅を残したかったため。

相談時の状況、相談のきっかけ

依頼者は、お子さんが遠方の大学に進学することになり、奨学ローンを組みました。もっとも、当初の予想よりも仕送り金額が増え、生活費不足を補うため、借金をするようになり、借金がかさみました。何とか返済を続けようと、他からも借金をするようになり、借金総額が増えてしまい、結果的に、住宅ローン以外の借金の返済が回らなくなりました。

当事務所を選んだ理由

インターネットで債務整理を調べているうち、地元の弁護士の中で、一番、破産・倒産に詳しそうだったとのことで、当事務所へ相談されました。

解決までの手順

受任後、直ちに、債権者に、弁護士が受任したことの通知を送り、依頼者から住宅ローン以外の債権者への支払を止めて、通常の生活に戻れました。申立後は、順調に手続が進み、無事、再生計画の認可決定を受けることができました。

解決のポイント(所感)

個人再生では、住宅ローン以外の負債について、最低100万円を原則3年で支払う必要があります。もっとも、住宅ローン以外の負債の総額の20%が100万円を上回るときは、その20%にあたる金額の支払いをしなければならないというルールがあります。このケースでは、住宅ローン以外の負債の総額が多く、その20%にあたる金額が約272万円になったことから、この272万円を原則3年で支払う必要が生じました。しかし、そうすると月あたりの支払額が7万5000円余りとなってしまい、依頼者の収入では到底支払うことができなくなりました。そこで、例外的に最長5年までの延長が認められるというルールを利用して、最終的な支払総額は変わりませんが、依頼者の収入で何とか支払うことができる金額(このケースでは月あたりの支払額約4万5000円)に抑えてもらえるよう、再生計画を作成し、裁判所にも認めてもらうことができました。